精密機械部品や油圧・空圧機器の製造において、穴あけ加工は極めて重要でデリケートな工程です。特に、バルブの弁座(弁の密閉部)のように「流体のシール(密閉)を左右する超デリケートな部位」では、わずかな寸法誤差や穴内面の荒れが、致命的な油漏れ・気密漏れを引き起こしてしまいます。
一般的なドリルで穴を開けただけでは、どれほど高性能な機械を使っても「穴の膨らみ」や「内面の傷(ビビリ)」が発生し、ミクロン単位のH7公差やツルツルとした鏡面に近い面粗度を出すことはできません。
この穴あけ加工の最終仕上げとして、高い寸法精度と究極の面粗度を叩き出す手法こそが**「リーマ仕上げ」**です。本記事では、リーマ仕上げの基本的なメカニズムから、現場で用いられる特殊な工具選定の極意までを解説します。
1. なぜドリルだけでは足りないのか?リーマ加工の役割
ドリルは「金属を力強く掘り進める」ための工具であり、穴の径(外径)を正確にコントロールすることや、穴の内側を美しく仕上げることには向いていません。
そのため、精密な穴加工では必ず以下の段階を踏みます。
1. 下穴加工(ドリル): 仕上げ寸法よりもわずかに小さく(取り代を0.1〜0.3mm程度残して)穴を開ける。
2. リーマ仕上げ(リーマ): 多数の直線的・らせん状の切れ刃を持つ「リーマ」を回転させながらゆっくりと通し、穴の内側をごくわずかに削り整える。
この2段階のステップを踏むことで、ドリル単体では不可能な「H7(数ミクロン単位)」の寸法精度と、滑らかな面粗度(算術平均粗さRa)を確実に実現できます。
2. 切り屑詰まりを防ぐ「ブローチリーマー」という選択肢
リーマ加工において最大の課題となるのが、**「切り屑(切粉)による穴内面の傷」**です。
削り出された細かな金属片が穴の内部に詰まると、リーマの刃とワーク(材料)の間に噛み込んでしまい、せっかくの仕上げ面に一瞬で引っかき傷を作ってしまいます。特に深穴や止まり穴の加工では、この切り屑の排出管理が品質の命運を分けます。
そこで威力を発揮するのが**「ブローチリーマー(ねじれ刃リーマ)」**です。
メカニズム: 刃先が強いねじれ構造になっており、加工と同時に切り屑を前方へ押し出す(または手前へスムーズに引き抜く)効果を持っています。
効果: 穴の内部での「切り屑詰まり」を根本から抑え込み、ビビリ痕のない完璧な内面肌と高精度な寸法を作り出します。
3. 有限会社田中機工の弁座・精密リーマ加工へのこだわり
有限会社田中機工では、流体の密封性を左右する弁座加工をはじめ、高い幾何公差(同軸度・真円度)が求められる精密穴加工において、職人の技術と工具管理を徹底しています。
当社の強みは、単に市販のリーマを通すだけでなく、削る材質(アルミ、真鍮、難削材SUS316など)や穴の形状に応じて、ブローチリーマーをはじめとする最適な工具選定と切削条件(回転数・送り速度)を厳密にコントロールする点にあります。
独自の幾何公差への厳しいアプローチに基づき、加工された精密穴はピンゲージや社内の自作限界ゲージを駆使した「100%全数検査」を実施。100個中100個すべてが完璧にシール性を発揮する品質を保証してお届けしています。漏れが許されない精密穴加工の案件は、ぜひ田中機工へご相談ください。





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