『錆びにくい部品にしたいので、ステンレスでお願いします』。使いたい材料のイメージは伝わりますが、実際に製作するには、もう少し詳しい情報が必要です。同じステンレスと呼ばれる材料でも、種類によって性質や加工のしやすさが異なるからです。
今回は、金属部品の加工を頼むときに、材質について何を伝えるとよいのかを紹介します。
材料の呼び方には、細かさの違いがある
『ステンレス』『アルミ』『鉄』は、広い材料の呼び方です。一方、SUS304やSUS316のような記号は、材料をより具体的に区別するために使われます。
身近な例なら、『パンを買ってきて』という依頼と『食パンを買ってきて』という依頼では、選ぶものが違うのに似ています。金属部品も、大まかな分類だけでは、必要な材料を一つに決められないことがあります。
見た目が似ていても、同じ材料とは限らない
銀色の丸棒を見て、外観だけで材質を判断するのは難しいものです。また、磁石が付くかどうかといった一つの特徴だけで、具体的な材質を確定できるわけでもありません。
手元にある部品と同じものを作りたい場合は、現物だけでなく、元の図面や材料についての資料が残っていないかを確認すると役立ちます。材質が不明なら、『分からない』ことを最初に伝えるのも大事な情報です。
材質が変わると、加工の考え方も変わる
同じ形状を削る場合でも、材料によって刃先への負担、切りくずの出方、熱の伝わり方などが変わります。工具や切削条件を検討するとき、材質名は基本になる情報です。
また、希望する材料がすぐに手配できるか、必要な大きさがあるかによって、見積もりや納期の考え方も変わることがあります。『同じ寸法だから同じ条件で作れる』とは限らないのです。
熱処理や表面処理の指定も一緒に
図面に熱処理や表面処理の指定がある場合は、それも材質名と一緒に共有します。たとえば熱処理の前後で加工を分ける必要があるか、処理後にどの寸法が必要なのかは、工程を考えるうえで確認したい点です。
ただし、必要な処理は用途や材料によって異なります。『硬くしたいから、どの材料でも同じ焼き入れができる』といった判断はせず、図面の指定と求める性質を整理することが大切です。
まだ材料が決まっていないときは
材質の候補を検討しているなら、部品をどこで使うのか、何に触れるのか、軽さや耐食性など何を重視するのかをまとめておくと、確認する条件が見えてきます。材料名が決まっていない段階と、決まった材料で製作する段階を分けて伝えましょう。
田中機工は、ステンレスやハステロイ、純アルミニウムなどの切削加工に取り組んでいます。実際の対応可否は、材質と形状、必要な仕様を合わせて確認します。
材質の指定を含む金属部品の加工について、お問い合わせはお気軽にどうぞ

この記事へのコメントはありません。