『四角いくぼみを作りたいのに、内側の角に丸みが残るのはなぜ?』。図面では簡単に描ける形でも、工具がどのように動いて削るかを考えると、加工上の理由が見えてきます。
今回は、フライス加工で内側の角に残る丸みと、図面に使われる「R」の関係を、基本から紹介します。
丸い工具で、四角いくぼみを削ると
フライス加工では、エンドミルなどの回転工具を使って材料を削ることがあります。上から見て四角いくぼみを作る場合、丸い工具を動かして側面を削ると、工具の外周が通った角には円弧状の形が残ります。
丸いスタンプを紙の四隅まで動かしても、ぴったりと鋭い内角を塗りつぶせないことを想像すると、少し分かりやすいかもしれません。これは加工が雑だからということではなく、工具の形に関係することです。
図面の「R」は、丸みの半径
図面で見かけるRは、丸みの半径を表すために使われます。内側の角のRが指定されている場合は、その形を満たせる工具や工程を考える必要があります。
同じRという表記でも、くぼみを上から見た角なのか、底面と側面のつながりなのか、外側の角なのかで加工の考え方は変わります。『どの部分の丸みか』を図面全体で確認することが大切です。
小さい工具を使えば解決する?
小径の工具を使うことで、内側の角の丸みを小さくできる場合があります。ただし、工具を細くすれば、すべてが簡単になるわけではありません。
深いくぼみの奥まで届かせたい場合には、工具の長さや剛性、切りくずを逃がせるかといった条件も関係します。角の丸みだけでなく、深さや幅も合わせて考える必要があります。
組み合わせる部品の角も確認する
四角い部品をくぼみにはめたい場合、外側の寸法が合っていても、くぼみの内側の丸みに相手部品の角が当たり、奥まで入らないことがあります。
この場合は、相手部品の角に丸みや面取りを設けられるか、くぼみ側の形状を見直せるかなど、設計側で検討できる点があります。ただし、勝手に形を変えることはできません。機能に必要な形と、加工で実現する方法をすり合わせることが先です。
必要な形を、加工方法と一緒に考える
鋭い内角が必要な場合は、一般的な回転工具による加工だけで実現できるか、別の方法が必要かを検討します。形状や材質、数量によって適した方法は異なり、設備によって対応できる範囲も変わります。
図面を描くときは『どの角に、どの程度の丸みを許容できるか』を整理しておくと、加工方法を考える材料になります。小さなRにも、部品の使い方と加工の都合をつなぐ役割があるのですね。
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