同じ部品なのに数量で単価が変わるのはなぜ?加工の「段取り」の話

『同じ図面なのに、1個作るときと10個作るときで、どうして1個あたりの価格が違うの?』。部品加工の見積もりを見て、疑問に感じたことはありませんか。

価格は、材料を削っている時間だけで決まるわけではありません。削り始める前の準備、つまり「段取り」も加工の大切な一部です。今回は数量と加工費の関係を、この準備の側から見てみましょう。

機械に材料を入れたら、すぐ削れる?

切削加工では、図面を確認し、材料をどう固定するか、どの工具を使うか、どんな順番で削るかを考える必要があります。NC工作機械を使う場合は、プログラムの準備や確認も必要です。

たとえば、段差と穴のある丸い部品なら、外側を削る工具と穴を加工する工具を検討します。途中で材料をつかみ直すなら、その方法も考えます。完成した部品だけを見ると分かりにくいのですが、加工を始める前にも仕事があるのです。

1個でも必要になる準備がある

仮に、ある部品を作るために一定の準備が必要だとします。その準備が複数個に共通して使えるなら、1個だけ製作する場合と、まとめて製作する場合では、準備にかかる費用の分かれ方が変わります。

そのため、数量が増えると1個あたりの費用が下がる場合があります。ただし、材料費や一つひとつの加工時間、検査の手間までなくなるわけではありません。田中機工では、数量にかかわらず、すべての加工品で全品検査を行っています。

数を増やせば、必ず安くなるわけではない

数量が変わると、材料の手配方法や、工具の交換、加工を続けるための管理も変わることがあります。部品の形状や要求によっては、個数を増やしても単価が大きく変わらない場合もあります。

『何個なら必ず何割安くなる』という一律の決まりはありません。数量と合わせて、図面や材質、必要な確認事項を見て考える必要があります。

試作と追加注文は、分けて予定を伝える

まず1個で組み付けを確認し、問題がなければ追加製作する。そんな進め方では、最初の試作と、仕様が決まった後の製作で条件が異なることがあります。

見積もりを依頼するときは、『今回は試作1個』『評価後に追加予定。ただし数量や仕様は未確定』のように、決まっていることと見込みを分けて伝えると整理しやすくなります。将来の数量が確約ではない場合も、そのまま伝えて構いません。

必要な数と、必要な時期を一緒に考える

単価を下げるためだけに必要以上の数を作ると、保管や仕様変更の際に困ることもあります。一方、同じものを何度も少量ずつ手配すると、その都度準備が必要になる場合があります。

大切なのは、単価だけを切り離さず、必要数量、使う予定、納品時期を合わせて考えることです。図面の裏側にある準備まで見えると、部品加工の見積もりも少し分かりやすくなるのではないでしょうか。

数量や製作時期を含む部品加工のお見積もりについて、お問い合わせはお気軽にどうぞ

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