『小さな傷なら使える?』『見えない場所なら気にしなくてよい?』。金属部品の表面に傷が見つかったとき、見た目だけで良し悪しを決めるのは難しいものです。大切なのは、その面がどんな役割を持っているかです。
今回は、表面粗さの数値とは少し違う視点から、傷や打痕と部品の機能の関係を考えてみます。
傷の大きさだけでは判断できない
たとえば、別の部品と接する面、軸や穴がはまり合う面、液体などの密閉に関わる面では、傷の位置や状態が機能に影響する可能性があります。一方、外観を重視する面では、機能に直接影響しない跡でも、要求に合わない場合があります。
『小さいから大丈夫』『裏側だから問題ない』とは一律に言えません。どこにあり、どのような状態で、図面や取り決めに照らしてどうなのかを確認する必要があります。
削った跡と、後から付いた傷は同じではない
切削加工した面には、工具が通った跡が見えることがあります。規則的な加工目と、部品をぶつけてできた打痕や、引きずってできた傷は、でき方が異なります。
また、面全体の細かな凹凸を示す表面粗さと、一本の目立つ傷の有無も、同じ情報ではありません。粗さの条件を満たしていれば、どんな傷でもよいということにはならないのです。
はまり合う部分では、盛り上がりにも注意
打痕などがあると、へこんだ部分の周囲に材料が盛り上がる場合があります。穴に入る軸なら、その部分が当たって入りにくくなる可能性があります。
だからといって、見つけた跡を自己判断で磨いたり削ったりすると、必要な寸法や面の形を変えてしまうこともあります。修正して使えるかは、部品の用途や要求を確認して判断する必要があります。
図面で伝えにくい外観条件は、見本も手がかりに
『きれいに仕上げてほしい』という言葉だけでは、人によって受け止め方が違うことがあります。見える面と見えない面、傷を特に避けたい面、組み付けで重要になる場所を区別すると、求める状態を共有しやすくなります。
必要に応じて、写真や見本で気になる箇所を示す方法もあります。ただし、写真は光の当たり方で見え方が変わるため、それだけですべてを判断できるとは限りません。図面の条件と併せて確認することが大切です。
加工後も、必要な状態を保つという視点
せっかく必要な形に加工しても、その後の部品同士の接触などで傷が付くことがあります。保管や運搬を考えるときも、どの面を保護したいのかが分かると、扱い方を検討しやすくなります。
田中機工では、すべての加工品で全品検査を行っています。確認が必要な箇所や外観条件は部品ごとに異なるため、特に重視する面がある場合は、製作前に共有いただくことが大切です。
傷の判断は『見えるかどうか』だけではなく、『どこで、どう働く部品なのか』から考えるもの。部品の表面にも、用途に応じた意味があります。
外観条件や接触面の指定を含む部品加工について、お問い合わせはお気軽にどうぞ






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