面取りとバリ取りって何が違うの?金属の角の加工についてやさしく解説!

「面取り」「バリ取り」という言葉を聞いたことはありますか?

日曜大工でDIYをしていたり、工場見学に行ったり、あるいは何かの製品説明で目にしたことがある方もいるかもしれません。でも、「なんとなく金属を削る作業なんだろうな」というくらいで、実際に何が違うのかは知らない、という方がほとんどではないでしょうか。

実はこの2つ、似ているようでまったく違う作業なんです。今回は、金属加工に詳しくない方にも「なるほど!」と思っていただけるように、身近な例を交えながらわかりやすく説明していきます。

「面取り」ってどんな作業?

面取りとは、金属の角をわざと斜めや丸い形に削る作業のことです。

たとえば、新しいテーブルや棚を組み立てるとき、角がとがっていると危ないですよね。小さなお子さんがいるご家庭では、テーブルの角にクッション材をつけたりすることもあると思います。

金属製品でも同じことが言えます。切ったままの金属の角は、紙の端よりもずっと鋭く、うっかり触れると手を切ってしまうほど危険な場合があります。そこで、あらかじめ角を斜めに削ったり丸くしたりしておくことで、安全に扱えるようにするのです。

面取りには、主に次のような役割があります。

・ケガの防止
鋭い角をなくすことで、触ったときの安全性が高まります。

・壊れにくくする
実は、金属は角の部分に力が集中しやすく、そこからひび割れが起きやすい性質があります。角を丸めることで、部品自体が壊れにくくなります。

・組み立てやすくする
部品同士を組み合わせるとき、角が鋭いとうまくはまらないことがあります。面取りをしておくと、スムーズに組み立てられます。

・見た目をきれいにする
角が丸められている製品は、なんとなく高級感や丁寧な作りを感じませんか?実際、面取りは製品の印象を左右する大切な仕上げでもあります。

このように、面取りは最初から「こういう形にしよう」と決めて行う加工なのです。

面取りにもいろいろな形がある

実は面取りにも種類があります。代表的なものを2つご紹介します。

一つは「C面取り」と呼ばれる、角を斜め45度にカットする方法です。定規で角を斜めに一直線に落としたような形になり、比較的シンプルでよく使われる面取りです。

もう一つは「R面取り」と呼ばれる、角を丸く仕上げる方法です。アルファベットの「R」は英語のRadius(半径)からきており、角を丸みのある滑らかな形にします。スマートフォンや家電製品の角が丸くなっているのは、このR面取りに近い考え方です。

どちらを選ぶかは、製品の用途やデザイン、求められる強度によって使い分けられます。専門的な話にはなりますが、「角にも種類があるんだ」と知っておくだけで、製品を見る目が少し変わるかもしれません。

「バリ取り」ってどんな作業?

一方、バリ取りは、金属を切ったり削ったりしたときに、意図せずできてしまう「バリ」という余分な出っぱりを取り除く作業のことです。

イメージしやすいたとえで言うと、プラモデルのパーツを思い浮かべてみてください。パーツの端に、薄いギザギザした余分なプラスチックがくっついていることがありますよね。あれと似たようなものが、金属を加工したときにもできることがあるのです。

このバリ、見た目は小さくても意外と危険です。紙よりも薄く鋭いことが多く、知らずに触ると切り傷になってしまうこともあります。

バリはどんなときにできるの?

バリは、金属を加工する方法によって、できやすさや形が変わってきます。

たとえば、金属の板を切断する「プレス加工」では、切り口の端に薄い金属片が残りやすくなります。また、ドリルで穴をあける加工では、穴の縁に小さな突起ができることがよくあります。レーザーで金属を切る加工でも、切断面にわずかな溶け残りのような跡が生じることがあります。

つまりバリは、「加工が下手だからできる」というものではなく、金属を加工する以上、ある程度は避けられない自然な現象なのです。だからこそ、加工のあとにしっかりと取り除く「バリ取り」という工程が欠かせません。

バリ取りが大切な理由は、次のとおりです。

・ケガを防ぐため
バリは非常に鋭いことが多く、放っておくと危険です。

・製品の質を保つため
バリが残っていると、部品同士がぴったり合わなかったり、サイズが微妙にずれてしまう原因になります。

・見た目や後の作業のため
塗装やメッキをする製品の場合、バリが残っていると仕上がりが汚くなってしまうことがあります。

・製品がきちんと動くようにするため
機械の部品などでは、小さなバリが原因で動きが悪くなったり、異音が出たりすることもあります。

バリ取りは、いわば「加工のあとの後片付け」のようなもの。金属加工には欠かせない、大切な仕上げ作業なのです。

もし面取りやバリ取りをしなかったら?

では、これらの作業を省略してしまうと、どうなるのでしょうか。

もし面取りをしなかった場合、角が鋭いまま残ってしまい、扱う人がケガをするリスクが高まります。また、角に力が集中しやすくなるため、落としたときや振動が加わったときにひび割れが起きやすくなることもあります。

もしバリ取りをしなかった場合は、製品を手にしたときに思わぬ切り傷を負ってしまう可能性があります。また、部品同士がうまくかみ合わず、組み立てた製品にガタつきが出てしまうこともあります。精密な機械であれば、小さなバリが原因で正常に動かなくなることさえあるのです。

こうして見ると、面取りやバリ取りは「なくても困らない細かい作業」ではなく、「なければ製品として成立しない、大切な工程」だということがよくわかります。

結局、何が違うの?

ここまでの内容をシンプルにまとめると、こうなります。

面取りは、「最初からそういう形にしよう」と決めて角を削る加工。
バリ取りは、「加工中にできてしまった余分なもの」を取り除く作業。

たとえるなら、面取りは家を建てるときに「角を丸くデザインしよう」と決めて作る部分、バリ取りは工事の後に残った「木くずやゴミを掃除する」作業、というイメージに近いかもしれません。

どちらも、私たちが安全に、そして気持ちよく製品を使うために欠かせない工程なのです。

よくある質問

Q. 面取りとバリ取り、両方必要な製品もあるの?
A. はい、ほとんどの金属製品には両方の作業が行われています。面取りで角の形を整え、バリ取りで加工中にできた余分なものを取り除く。この2つがそろって、初めて安全で使いやすい製品になります。

Q. バリはすべての金属加工で発生するの?
A. 加工方法によって発生のしやすさは異なりますが、金属を切ったり削ったりする加工である以上、多かれ少なかれバリが発生する可能性があります。だからこそ、バリ取りは金属加工において欠かせない工程とされています。

Q. 面取りがされていない製品は、品質が低いということ?
A. 一概にそうとは言えません。用途によっては面取りが不要な場合もあります。ただし、人が触れる部分や組み立てが必要な部分に面取りがされていない場合は、注意が必要かもしれません。

何気ない製品にも、職人の丁寧な仕事が詰まっている

普段何気なく使っている金属製品も、実はこうした細かい工程を経て、安全で使いやすいものに仕上げられています。

角を丁寧に面取りしているか、バリをしっかり取り除いているか。こうした「見えない部分」への気配りこそが、良い製品と、そうでない製品の差を生んでいると言っても過言ではありません。

私たちも、こうした基本の工程こそ大切に、一つひとつの製品に丁寧に向き合うことを心がけています。

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